IT活用に興味はあっても導入費用の負担が大きく、なかなか導入に踏み切れない会社も少なくありません。そういう中小企業・小規模事業者のために、IT導入を支援する補助金があります。IT導入補助金の対象は、業務の効率化と生産性向上につながるソフトウェアの導入費用で、パソコンなどの購入費用は対象外です。IT導入補助金の対象となるITツールと事例をご紹介します。
今さら聞けないテレワーク。実は建設業に向いている?
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者向けにITツールの導入を支援する補助金です。大まかに言えば、業務効率化や売上アップなどにつながる、ソフトウェアやクラウドサービス関連の費用の1/2から2/3までが補助されます。IT導入支援事業者は、IT導入補助金2021事務局に採択・登録された、補助対象となるITツールの販売や導入を支援する事業者です。
IT導入補助金とは、IT導入支援事業者によって登録されたITツールに対して補助金が交付される事業です。IT導入補助金の活用は、IT導入支援事業者とITツールの選択から始まります。
ここで、しっかり確認していただきたい注意点です。IT導入補助金の交付申請には多くの要件がありますが、まずはこの3点を満たさないと申請できません。
<IT導入補助金の注意点>
- IT導入補助金2021に登録されたITツール以外は補助対象にならない。
- 交付申請は、IT導入支援事業者と共同で作成しなければならない。
- 交付が決定する前に製品の発注や契約、支払い等を行うと補助金が交付されない。
要注意!IT導入支援事業者をかたる悪質業者
2020年、IT導入補助金事務局からIT導入支援事業者であると偽ってIT製品を販売する悪質な業者に関する注意喚起がありました。万が一、不審な業者からIT導入補助金の提案を受けたときは、登録状況を確認しましょう。IT導入補助金2021のホームページで、登録されたIT導入支援事業者とITツールを公開しています。
IT導入補助金2021「※重要※ IT導入支援事業者を装った悪質な事業者にご注意ください」IT導入補助金の対象となるのは?
IT導入補助金は、業務の効率化や生産性向上、テレワーク対応のITツールが対象になります。中小企業、小規模事業者にとって負担が大きいIT投資の1/2が補助されます。原則ソフトウェアで、パソコンなどハードウェア購入は対象外です。IT導入補助金の対象や活用事例を紹介します。
IT導入補助金の対象となるのは、IT導入支援事業者によって登録されたITツールです。登録されていない製品では申請できません。パッケージソフトの本体費用、クラウドサービスの導入・初期費用、導入関連費用が対象となります。
IT導入補助金には、通常枠(A・B類型)、低感染リスク型ビジネス枠(C・D類型)があります。せっかくなら補助率が高いC・D類型で申請したいですよね。
両者の違いは、「対人接触を低減させる取り組みであるか」という点です。同じITツールでも、社内業務のテレワーク化や非対面型サービス提供へのビジネスモデル転換など、対面機会を低減させる取り組みがある場合はC・D類型となります。
通常枠 | 低感染リスクビジネス枠 | ||||
---|---|---|---|---|---|
種類 | A種型 | B種型 | C種型-1 | C種型-2 | D種型 |
補助金申請額 | 30万~150万円未満 | 150万~450万円以下 | 30万~300万円未満 | 300万~450万円以下 | 30万~150万円以下 |
補助率 | 1/2以内 | 2/3以内 |
通常枠(A・B類型)の補助対象
IT導入補助金の対象となるITツールは、IT導入支援事業者によって登録されている製品やサービスに限ります。労働生産性向上につながるソフトウェア製品やクラウドサービスが補助対象となります。業務効率化や業績アップなど、生産性向上につながればOKなので、CADや積算、工事管理系から会計ソフトまで、幅広く対象となります。
低感染リスク型ビジネス枠(C・D類型)の補助対象
C・D類型は、コロナ対策のための業務形態の非対面化ツールが対象です。非対面化ツールとは、事業所以外の場所から業務を行うテレワーク環境の整備や非対面化する、労働生産性の向上を目的とするITツールをさします。クラウド型ソフトやWEB会議システムなどが該当します。非対面化ツール導入のためのハードウェアのレンタル費用は対象となります。
この説明だけではイメージするのが難しいと思いますので、事例をご紹介していきます。
IT導入補助金の活用事例
IT導入補助金の活用事例-1
スマホから勤怠管理、勤怠データを工事台帳に連携!
働き方改革では、勤務状況の可視化が求められます。出退勤時間の打刻だけでなく、作業日報の作成や現場予定の管理など、建設業界に適した勤怠管理システムもあります。さらに、勤怠管理システムと原価管理システムの連携により、勤怠データを工事台帳に自動的に反映できます。
<勤怠管理と原価管理を連携するメリット>
- スマートフォンによる勤怠管理で直行直帰を管理しやすくなる
→ 不要不急の帰社を減らして、残業時間を削減 - 資材入力から原価管理、請求・入金管理まで、1回のデータ入力で済む
→ 事務作業の効率化
IT導入補助金の活用事例-2
拾いの集計結果を積算ソフトに連携!
拾い作業のシステム化により、CADデータやスキャンした図面から部材を拾い出すことができます。経験の浅い若手はソフトを使用すると、拾い作業を覚えやすいと言われています。
拾いと積算のシステムの連携により、拾い出し書作成を省略して積算できます。建設物価データを搭載したシステムなら、資材と数量の設定だけで自動計算できます。
<拾いと積算をシステム化するメリット>
- 業務の効率化とロスの削減により、生産性が向上する
→ 拾い出し、積算作業の時間短縮
→ 拾い漏れや二重拾いなどの人的ミスの防止 - 見積の一元管理により積算方法を共有、管理できる
→ 積算の標準化 - 拾い出し、積算業務の可視化によりOJTがしやすくなる
→ 若手社員のスキルアップ、定着率向上
IT導入補助金の活用事例-3
点検業務の管理と見積システムを連携!
消防点検、定期清掃・ビルメンテナンスなどの業務では作業スケジュールの管理が大切です。建物(契約)台帳とスケジュール管理、作業者の入退出管理や作業報告書作成などを一元管理できれば、業務効率は大幅に向上します。さらに、見積システムとの連携で、点検見積、補修・改修の見積にも対応できます。
<点検などの業務管理と見積を連携するメリット>
- 建物(契約)台帳とスケジュール管理、入退出管理、作業報告、見積を紐づけられる
→ 管理業務の省力化、事務処理の効率化 - 点検部門と営業部門が情報共有しやすくなる
→ 見積漏れなどのチャンスロスの防止
IT導入補助金の活用で、最小限の費用負担でIT化を!
IT導入補助金について、事例を挙げて紹介させていただきました。
IT化のチャンスとはわかっていても、どのようにIT導入補助金を利用できるのか、具体的なイメージが持てない経営者様も多いのではないでしょうか。
石田データサービスでは、IT導入補助金の活用を前提に、積算、原価管理、定期清掃・点検のスケジュール管理など、電気工事、管工事、消防点検、ビルメンテナンス・清掃業の業務を効率化するITツール導入をご提案させていただきます。ぜひご相談ください!