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2021年10月1日、Windows10からWindows11への無料アップグレードが始まっています。対象となるPCは、WindowsUpdateで通知が表示されますので、すでにアップグレードを済ませた方もいらっしゃるかもしれません。WindowsOSのアップグレードには、データの破損や焼失のリスク、ソフトウェアやサービス、周辺機器への影響もあります。業務に支障をきたさないよう、適切なタイミングを選び、しっかりと事前準備をして、計画的にアップグレードを行いましょう。

Windows11への無料アップグレードがスタート!

2021年10月1日から、Windows11への無料アップグレードが開始されました。この無料アップグレードは、2021年6月に発表された「次世代のWindows」への移行を促すためのものです。
使用されているPCが無料アップグレードの対象となる場合は、WindowsUpdateに通知が表示されます。いつものセキュリティ更新プログラムと同じつもりで、クリックするとOSそのものがバージョンアップされてしまいますのでご注意ください。
「最新のバージョンが一番良いんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、OSのバージョンアップは、使用しているソフトウェアやWebサービスに影響する場合があります。また、OSのアップグレードには多少のリスクがあります。
ここでは、Windows11への無料アップグレードで後悔しないための基礎知識をご紹介します。

Windows10の延長サポートは2025年10月まで!

さて、Windows10のメインストリームサポートは2020年10月13日に終了し、現在は延長サポート期間にあたります。その延長サポートも2025年10月14日をもって終了する予定です。
メインストリームサポートとは、Microsoftから提供されるセキュリティ更新プログラムや仕様変更などの主要なサポートをさします。メインストリームサポート期間中は、無償でサポートが提供されます。
Microsoft社では、Windows製品の発売から最低5年間をメインストリームサポート期間としており、メインストリームサポート終了後も、最低5年間は「延長サポート」を提供します。
延長サポートでは、セキュリティ更新プログラムのみ無償提供され、その他のサポートは有償で提供されます。つまり、セキュリティを維持するための更新のみ行い、新たな機能の追加やセキュリティに関係しないバグの修正されない、ということです。
そして、延長サポートが終了すると、セキュリティ更新プログラムも提供されなくなります。脆弱性が放置され、PCは外部からの脅威に対して無防備な、鍵のかからない金庫のような状態になってしまいます。また、システムなどのトラブルが発生した場合にサポートを受けられない可能性もあります。
つまり、延長サポート期間は新しいOSに移行するための準備期間であり、今のところ無料アップグレードには期限が設けられていません。2025年10月までに、計画的にWindows11への無料アップグレードすることお勧めいたします。

すべてのWindows10搭載PCがアップグレードできるとは限らない

Windows11のスペック要件を満たしているWindows10搭載PCは、無料でアップグレードできます。2021年現在で新品として販売されているWindows10搭載PC、2017年以降に製造されたPCは、概ねこれに該当すると言われています。
Windows11のシステム要件のハードルは意外に高く、リユースで購入したPCやWindows10にアップグレードしたPCは要件を満たしていない場合があります。 アップグレード可能なPCはWindows Updateに通知が表示されます。表示されない場合でもアップグレードできる可能性があります。Microsoft社提供の「PC正常性チェックアプリ」を使用して自動確認できます。以下の手順で、システム要件を満たしているかを確認できます。

①右下のWindowsマークから「設定」をクリック
②「更新とセキュリティ」をクリックすると「Windows Update」が開く
③通知が表示されない場合は「PC正常性チェックアプリ」をクリック

<Windows 11への無償アップグレードの要件>

プロセッサ 1 GHz以上で 2 コア以上の64 ビット互換プロセッサまたはSystem on a Chip (SoC)
メモリ 4 GB以上
ストレージ 64 GB 以上の空き容量
システムファームウェア UEFI、セキュアブートに対応
TPM トラステッド プラットフォーム モジュールバージョン(TPM) 2.0
※設定で無効になっている場合があります。
グラフィックスカード DirectX 12 以上 (WDDM 2.0 ドライバー) に対応
ディスプレイ 対角サイズ 9 インチ以上、8 ビットカラーの高解像度 (720p) ディスプレイ
インターネット接続と Microsoft アカウント 更新の実行、ダウンロードなどのためにインターネットのアクセス、一部機能を利用するためにMicrosoftアカウントが必要。※エディションにより若干の差異があります。

アップグレードでトラブルが起きることも?!

冒頭で、Windows11のアップグレードで多少のリスクがあるとお伝えいたしました。誤解がないよう申し上げますが、製品に瑕疵があるという意味ではありません。
リリース直後である2021年11月現在、ソフトウェアやWebサービスの多くは、Windows11への対応が済んでいないのです。そのため、アップグレードすると、ソフトウェアやWebサービスを使用できなくなる場合があります。製品によっては、対応前にアップグレードしても動作する場合があります。しかし、後になって不具合が生じる可能性があり、そのときに製品サポートの対象外になってしまうかもしれません。必ずメーカーによる検証を待って、アップグレードしましょう。
また、Windows11に限らず、OSのアップグレード処理中に、パソコン内のデータが消える事故は比較的よく聞かれる事例であり、ユーザ側で備えておくべきリスクです。バックアップなどの事前準備は自己責任になります。些細なことですが、OSをアップグレードしたらプリンタにつながらなくなったなど、周辺機器の設定が変わってしまうケースもめずらしくありません。
Windows11にアップグレードした後、Windows10にダウングレードすることもできますが、万が一、データが消失した場合は、ダウングレードしてもデータは復旧されません。機器の設定も自動的には戻らない可能性が高いです。
時間も手間もかかりますので、そうした事態にならないよう、しっかりと準備をして、ベストのタイミングでアップグレードを行いましょう。

Windows11アップグレードの準備と注意点

(1)アップグレードできるかを確認する
最初に確認するのはPCのスペックです。確認方法は、本記事「すべてのWindows10搭載PCがアップグレードできるとは限らない」をご確認ください。

システムファームウェア、TPM → 設定を変更すればアップグレードできる場合があります。
メモリ、ストレージの不足 → 増設もしくは買い替えの検討が必要になります。

(2)アップグレードの影響を確認する
業務で使用しているソフトウェア、オンラインバンクなどのWebサービス、周辺機器について、Windows11への対応状況を確認します。メーカーのホームページやサポートで確認できます。

(3)アップグレードする手順を計画する
前項で確認した対応状況をふまえて、どのタイミングでアップグレードするかを決定します。Windows10のサポートが終了する2025年10月まで完了すれば問題ないので、急いで移行する必要はありません。
また、PCのスペックや環境により、アップグレードを完了して、業務を再開できるようになるまで、長時間かかる場合があります。また、トラブルがあれば、その日のうちに解決できない可能性もあります。長時間PCが使えなくても、業務に支障をきたさない日程を選んで実行しましょう。

(4)PC内のデータをバックアップする
アップグレード作業を始める前に、データの破損や消失に備えてバックアップをとります。クラウド製品を利用していると、日頃からPC内に保存するデータを最小限にできるため、PCの負荷やバックアップにかかる時間が軽減されます。

Windows11へのアップグレードには事前準備を!

ウイルス被害や不正アクセスが身近である昨今、セキュリティパッチを含むWindowsアップデートをこまめに実行するのが常識になっています。それと同じような感覚で、Windows11へのアップグレードを行ってしまう方がいらっしゃるかもしれません。また、最新のバージョンを使いたいというお気持ちもよくわかります。

しかし、現時点ではWindows11に対応していない製品も多く、業務に必要なソフトやサービスが使用できなくなったり、プリンタなどの周辺機器の設定が変わってしまったりする可能性があります。

しっかりと事前準備を行い、適切なタイミングでアップグレードを行いましょう。また、WindowsOSのアップグレードは定期的に行われますので、この機会にIT機器やソフトウェアを管理する台帳を作成し、IT管理を始めてはいかがでしょうか。

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