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新聞、テレビ、ネットなど、「DX」という言葉を普通に目にするようになりました。さらに大手企業だけでなく、国の施策として中小企業のDXが着実に進められようとしています。建設業、設備業も例外ではありません。その一方で、DXとIT化の違いやDXの目的など、具体的には理解していない方も少なくないようです。低予算、スモールスタートでDXを成功させるための基礎知識を解説します。

目次
-設備業でも必要?DXとは何か
-国が推進する建設業DXの事例
-DX失敗の主な要因は理解不足
-失敗しないDXの進め方
-コスト、運用面の負担が少ない、低予算、スモールスタートのDX
-設備業のDXは低予算、スモールスタートがお奨め!

設備業でも必要?DXとは何か

DXは業務効率化ではなく、経営基盤強化へのアクション

DXの定義はさまざまな場所で説明されていますが、説明を聞いてもピンとこない方もいらっしゃるのではないでしょうか。説明を聞いても理解しづらい点が、DX推進の難しさにつながっていると思われます。
経済産業省の「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」では、DXを以下の通り定義しています。これを要約すると、DXとは何かが浮かび上がってきます。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
引用:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)/経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf

・ビジネス環境の変化への対応
・デジタル技術の活用
・製品やサービス、ビジネスモデルの変革
・業務、従業員、企業文化など組織内部の変革
・競争上の優位性の確立


業務の効率化を目的としていた従来のIT活用との違いは、DXのゴールは「競争上の優位性の確立」であり、IT活用は目標達成の手段に過ぎない点です。デジタル化や組織内部の変革により、製品やサービスの質、コストパフォーマンスなどの向上による差別化を実現することがDXの目的です。DXは製品・サービスを変革し、経営基盤を強化するためのアクションです。

DXの5つのステップ

DXの定義が明確になったところで、実現までのステップを整理してみます。これらのステップを完遂している大手企業は、国内ではほとんどないと言われています。

(1)デジタル化
DXは業務に関する文書、情報をデジタルデータに置き換えるところから始まります。紙による管理が混在すると重複入力などの手間がかかり、効率が低下します。また、リモートワークへの対応、BCPなど観点からクラウドの活用が推奨されます。


(2)業務の効率化
デジタル化によりデータが一元管理され、重複入力やデータ共有のための作業が必要なくなります。時間外労働の削減、空いた時間を他業務に割り当てるなど、生産性向上が期待できます。


(3)データの共通化
例えば、工事部門が入力した工事日報のデータを、原価管理や労務管理に活用するなど、部門間のデータを活用できるよう、収集するデータを調整します。目的に応じた計画をたてて実行、成果を検証した後に改善・再実行するPDCAサイクルで、有効活用の精度を向上します。


(4)DXのための組織見直し
デジタルで蓄積されたデータを効率的に運用できる組織をつくります。小規模な組織では人事異動のような組織改編は必要ありませんが、業務フローの見直しは必須になります。


(5)データ活用の最適化
蓄積されたデータを事業計画の立案や事業の未来予測に活用します。デジタル資産を経営管理に活用して製品やサービスの競争力を向上させ、安定した経営基盤をつくります。

<ここまでのポイント>
・DXのゴールは「競争上の優位性の確立」。
・業務のデジタル化とそれに伴う効率化は通過点。
・DXは経営基盤を強化するためのアクション。

国が推進する建設業DXの事例

国土交通省が主導して、建設業DXを推進していますが、ドローン測量、ICT建機など土木系が先行している印象を受けます。しかし、設備業でも点検作業などにドローンを活用する動きは見られますし、建設業関連の申請手続きのデジタル化は着実に進行しています。紙での申請も継続されますが、より利便性の高い電子申請を利用しないことがロスになるとも考えられます。

建設業だけ特有の業務ではありませんが、電帳法改正、インボイス制度導入など、税務関連の電子化はさらに加速しています。
こちらは取引先から電子化の対応を求められる会社も多いのではないでしょうか。建設業を含む経理業務のデジタル化ニーズは急上昇しています。

<ここまでのポイント>
・建設業DXは、ドローン測量、ICT建機など土木系が先行。
・建設業関連の申請手続き、電帳法改正、インボイス制度導入などデジタル化が進んでいる。
・電帳法改正→ 2024年1月以降、電子化された国税関係の書類の電子保存が義務化される。
・インボイス制度導入→ 2023年10月から請求書の税率ごとの記載が義務化され、
 段階的に消費税免税事業者への支払いから仕入額控除ができなくなる。

DX失敗の主な要因は理解不足

従来のシステム導入と同じ感覚で取り組み、DXに失敗するケースも少なくありません。DXの本質を理解していないことが原因で、特に経営者の理解不足は致命的です。DXに失敗する企業の多くは以下に該当すると言われています。

・課題の洗い出しや業務の見直しをせず、ITを導入すればよいと考えている
・組織全体の取り組みになっていない

前述の通り、DXの目的はデジタル化による業務の効率化ではなく、組織全体を改革し、製品やサービスの競争力を向上させることです。競争力の向上には至らなくても、デジタル化によって業務の効率化だけでも実現できればよいのですが、それすらもうまくいかないケースもあります。

<ここまでのポイント>
・DXの本質を理解していないと失敗する。特に経営者の理解不足は致命的。
・ITを導入すればよいという意識や組織全体で取り組めない会社は高リスク。

失敗しないDXの進め方

DXに失敗しないためには、経営者の意志で何を目的とするかを明確に決め、組織全体をまきこんで実施する必要があります。非常に大まかな流れですが、中小企業のDXでは、経営者が以下のプロセスを主導するのが失敗しない進め方と言ってよいでしょう。

①経営者の判断でDX の目的を具体的に決める
製品・サービスの変革、新規事業への取り組みなど

②具体的な DX 戦略を立てる
製品・サービスの変革、新規事業を実行するために必要なデジタル体制

③現状を正しく把握する
めざすべきデジタル体制と現状の差異を明らかにする

④アクションの優先順位を決める
緊急性の高さ、業務間の連携、移行の難易度などを洗い出す。

⑤現場に近い業務から組織全体のワークフローをデジタル化する
優先順位の中で現場に近い業務から着手し、組織全体に広げていく。
組織内の合意形成、従業員の教育

⑥事業のビジネスモデルを変革する
DX体制が整った段階でデジタルを活用したビジネスモデルに変革する

⑦定期的に PDCA サイクルを回し、改善

<ここまでのポイント>
・経営者の意志で明確な目的を定め、組織全体をまきこんでいく。
・中小企業のDXは、経営者が主導するのがもっとも失敗が少ない。

コスト、運用面の負担が少ない、低予算、スモールスタートのDX

DXは業務単体のIT化とは異なり、業務全体を“改革”する取り組みです。デジタル化はその手段に過ぎません。しかし、すべての業務を一気にデジタル化するのは大変な作業です。段階的にデジタル化していけば負担は減らせますが、万が一、業務間の連携に失敗すればDXの意味がなくなります。

大手企業は自社開発で業務にすりあわせるDXも可能ですが、中小企業には、社内にITに精通した人材がいない、予算が限られているなどの課題があります。また、急速なデジタル化はコスト面、運用面の負担も大きくなります。複数年の計画をたて、優先順位の高い業務から段階的にデジタル化するのがベターです。

リスクや負荷を避けるため、低予算、スモールスタートのDXをお奨めします。
但し、段階的とは言っても、業務ごとに手頃なソフトを導入するのは避けた方がよいかもしれません。ソフト間の連携がうまくいかない可能性があります。連携できないソフトの組み合わせで、組織全体のワークフローをつくる場合は追加開発が必要になります。

こうしたリスクは、業務間の連携ができる同一シリーズのソフトを選ぶことで避けられます。

<ここまでのポイント>
・低予算、スモールスタートで段階的にデジタル化。リスクや負荷を避けられる。
・同一シリーズのソフトで組織全体のワークフローをつくる。

設備業のDXは低予算、スモールスタートがお奨め!

低予算、スモールスタートの手堅いDXには、機能連携できるシリーズ型のソフトウェアが適しています。もちろん、シリーズ製品ですから、製品間のデータ連携は標準機能になっています。段階的なデジタル化のリスクである、業務間の連携にはまったく心配がありません。

石田データサービスの「工事こうじやさん®シリーズ」は、拾い出し、見積積算、原価管理など、設備業の業務に対応したソフトで構成されています。シリーズ間のデータ連携により、予算やDX化のスケジュールにあわせて段階的に導入しても、トラブルなく、データの一元管理、標準化、情報共有を実現できます。

IT導入補助金などの活用、年度末の予算消化の範囲内でも導入できます。DXの進め方、補助金を活用した導入のご提案など、お気軽にご相談ください。

『つなぐことでDXを実現』こうじやさんシリーズ動画

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