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建設業の利益率は18~25%程度と言われています。事業規模や受注の階層がほぼ同じ会社を比較しても、利益率に差がある場合はあります。利益を確保するには、利益を出せる金額で受注すること、適切な工事原価管理でその利益を守ることが大切です。工事原価管理のデジタル化によって、これらを最小限の労力で行えるようになります。利益増加のための対策を紹介します。

目次
 -建設業の利益率はどれくらい?
 -建設業の利益を算出する計算式
 -受注前の実行予算で赤字受注を抑止
 -工事ごとの利益確保には原価管理がマスト
 -案件発生から完工後まで一元管理するのが効果的

建設業の利益率はどれくらい?

 どの業界でも利益率の相場はありますが、建設業の利益率は18~25%程度と言われています。この数値は総務省や民間企業が行っている統計調査などを元に判断されたものです。7%程度の振れ幅があるのは事業規模や元請けと二次・三次請け、民間・公共の種別などによるものと考えられます。

 売上を伸ばそうと受注を増やすことも大切ですが、きちんと利益が出る仕事をしないと忙しいばかりでもうからない、やがて経営が危うくなるという危険なスパイラルが待っています。受注が安定していると安心しがちですが、燃料や建設資材などの仕入れ価格は高騰しています。単純に考えても、前年比で売上が横ばいで仕入れなどの対策をしていなければ、確実に利益は減少しているはずです。売上高や受注件数だけでなく、どれだけ利益が出るのかを常に管理する必要があります。

参考:建設業の経営分析(令和2年度)概要版(一般財団法人建設業情報管理センター)

<ここまでのポイント>
・建設業の利益率は18~25%程度。
・受注が増えても利益管理ができないともうからない。

建設業の利益を算出する計算式と利益確保のポイント

建設業の利益を算出する計算式

 ここでおさらいの意味で、利益を算出する計算式を確認します。完成工事高と受注額(見積額)は基本的には同じであるはずなので、現場レベルで利益を管理するときは、受注した見積額から工事原価を差し引いた「粗利益」で考えて問題ないでしょう。

粗利益(売上総利益)= 完成工事高-工事原価
利益率 = 粗利益 ÷売上高 × 100

 一般に見積金額は工事原価や経費の合計に利益を上乗せする形で算出しますが、工事ごとの利益をどの程度に設定するかは会社の方針、すなわち経営判断になります。入札や価格交渉される物件では、利益を確保しつつ、受注できるラインを読まなければなりません。また、社内の見積作成基準にばらつきがあると、受注時の利益率が一定にならないため、受注後の利益管理はより難しくなります。

利益確保するにはどうすればいい?

 まず、利益確保の大前提は「赤字受注をしない」こと。さらに建設業では、仕入れや現場の状況で工事原価が変動します。工事原価が増えれば、その分だけ利益が減少します。逆に言えば、工夫次第で受注後にも利益を増やせる可能性はあります。

 利益確保の対策は「工事原価管理」につきます。品質に関わるコストは絶対に削減できませんが、同じ材料でも仕入れ方法を工夫したり、人件費のムラをなくしたりなど、コスト削減の方法は考えられるでしょう。そうした対策と同時に重要なのが、工事の進行につれて変化する原価や利益を正確に把握することです。完工後に予定よりも原価が増えていることがわかっても、ほとんどの場合はどうすることもできません。つまり、着手前と進行中に工事原価を管理するしかありません。

 しかし、他業種と比較しても建設業の原価管理は複雑であり、手計算やExcelでリアルタイムに把握するのはかなり難しいです。原価管理をデジタル化すると、どれだけ利益が残るかをリアルタイムに把握できるようになり、手遅れになる前に対策を考えられるようになります。

関連記事:建設業の物価高倒産が急増!建設物価を活用して赤字受注を回避する方法

<ここまでのポイント>
・見積作成基準にばらつきがあると、利益率が一定にならない。
・利益確保のポイントは「赤字受注をしない」と「受注後に工事原価を管理する」。
・原価管理をデジタル化すると、リアルタイムに状況を把握できる。

受注前の実行予算で赤字受注を抑止

 実行予算を作成して工事原価を管理している会社は多いと思います。一般的には受注後に作成する実行予算を受注前に作成すると、簡単に利益シミュレーションができます。受注前に実行予算を作るのを面倒に思われるかもしれませんが、実行予算によって、見積の中にどれだけの利益が含まれているかを可視化できます。

 実行予算の単価や仕入価格を操作するだけで、見積金額とそこに含まれる利益額を試算できるメリットは大きいです。入札物件や値引き交渉の際にどこまで価格を下げられるかが明確になります。赤字受注の回避に、非常に有効な方法です。

 工事積算見積システム「本丸EXv2」と工事原価管理システム「二の丸EXv2」で、積算見積と原価管理のプロセスをデジタル化すると、見積作成のデータから実行予算を作成できます。手間暇かけて作成するという感覚がなくなるくらい簡単な操作で実行予算を作成できます。

実行予算の活用法の紹介記事:実行予算とは、組み方と活用方法、工事管理で注意すべきポイント

<ここまでのポイント>
・受注前の実行予算作成で、見積金額とそこに含まれる利益額を試算できる。
・入札物件や値引き交渉でどこまで価格を下げられるかが明確になる。

工事ごとの利益確保には原価管理がマスト

 受注後の工事原価管理は、利益を確保して受注することと同程度かそれ以上に重要です。ここでも、実行予算を活用しましょう。

 材料費や人件費を無理に下げようとすると品質に影響するため、仕入れや経費に関して「かかるものはかかる」と諦めてしまう傾向があります。しかし、資材価格や燃料費、人権費は相変わらず高騰を続けています。しっかり原価を管理しないと、穴あきバケツのように利益がこぼれてしまいます。発注時に値決めや価格交渉を行い、実行予算で原価と利益を管理しながら工事を進めましょう。

工事原価管理について解説する記事:【建設業の原価管理】工事原価を簡単に管理する方法

<ここまでのポイント>
・物価高が続く昨今、利益が目減りするリスクは続いている。
・受注後の工事原価管理ができないのは「穴の開いたバケツ」のような状態。

案件発生から完工後まで一元管理するのが効果的

 ご存じの通り、建設業の現場は生き物と同じで、いつ状況が変わるかわかりません。現場対応に集中するあまり原価管理がおろそかになると、いつのまにかコストがかさんで利益が目減りしてしまう可能性もあります。丁寧に積算見積して黒字で受注したはずが、終わってみたら赤字になっていたなどの笑えない状況もありえます。しかし、こうした失敗談は意外によくある話で、対策に頭を悩ませている社長さんも多いのではないでしょうか。

 こうしたお悩みの特効薬となるのが「デジタル化」です。見積から原価管理がデジタル化されると、原価と利益が可視化されます。受注金額や見積もり明細の中に埋もれている原価や利益が可視化されるだけで格段に管理はしやすくなります。進行中の工事物件で発生した原価と利益がどう変わっているかが把握できるので、利益の確保や収支予測が容易になります。

 工事積算見積・原価管理統合システム「三の丸EXv2」は、設備業の積算見積、原価管理のプロセスを統合したシステムです。ひとつのシステムで案件発生から完工後の入金管理まで処理できるので、重複入力を削減し、抜け・漏れなどの人的エラーも予防できます。小さな負担でデジタル化をスタートし、業務全体に拡大させるスモールDXのソリューションを提供します。

[三の丸EXv2]設備業向け工事積算見積・原価管理総合システム

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