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 消防設備やビルメンテナンス業は、原材料や燃料の価格高騰による資材や機器類の品薄感、値上げの影響は大きいようです。その他にも、点検やメンテナンス作業員の人手不足、賃上げなど、収益を減少させる要因は増えるばかりです。もちろん、消防設備・ビルメンテナンス業だけの問題ではありません。収益アップのためにとるべき施策と、デジタル化でサービスを改革する事例を紹介します。

目次
-収益アップの施策、2つのポイント
(1)業務の効率化によるコスト削減
(2)サービスの付加価値で、差別化や価格引き上げ
-業務の効率化にはデジタル化
-【サービス事例】顧客の生産性も高まるワンストップサービス
-デジタル化による空き工数をどう活かすかが“鍵”

収益アップの施策、2つのポイント

 会社経営における収益アップの構造はいたってシンプルです。つまり、できるだけ多くの売上を積み上げ、同時にコストを最小限に抑えること。売上がなければ収益も生まれせんので、受注を増やすことは大切ですが、受注できる件数には上限があります。収益アップのためのポイントを解説します。

(1)業務効率化によるコスト削減

 収益アップのためには受注を増やす努力も必要ですが、1万円の売上アップより5000円のコスト削減の方がより多くの収益を生む場合があります。コスト削減の方法は大きく2つに分けられます。ひとつは材料調達の工夫などで、仕入れ価格を抑える方法です。しかし、原材料や燃料などの価格高騰が続く現在、仕入れでのコスト削減はかなり難しいでしょう。

 その他に、業務を効率化して労務費、特に残業を削減する方法があります。中小企業では業務を効率化したいと思いながらも、以下のような理由でなかなか実行できないのが実情です。

・忙しすぎて効率化を考える余裕がない
・従来のやり方を変えることに抵抗がある
・コスト削減のための投資に踏み切れない

 これらの理由はいずれも取り組み次第で解消できます。業務の効率化によって、長期的なコスト削減につながり、収益構造そのものが整います。長期的な視点での収益アップの基盤づくりになるだけでなく、比較的短期間で効率化の効果を実感できます。

(2)サービスの付加価値で差別化や価格引き上げ

 資材価格や人件費が高騰しても、取引先に価格交渉を言い出せない会社は意外に多いようです。取引先との関係悪化や仕事がなくなる不安から、工事原価の高騰を受注価格に反映できずに負担を抱えこんでしまう場合もあります。

 1件や2件の赤字受注はまだしも、継続的に赤字を抱えつづければ必ずいつか破綻します。そうならないためには、取引先との価格交渉ができる関係を築くことが必要です。まず、特定の取引先に依存しないこと。取引先との関係が深まり、受注が増えるのはよいことですが、1社からの受注に頼りすぎないよう、受注のバランスを維持できていると交渉しやすくなります。取引先の倒産などの不測の事態にも対処しやすくなります。

 そして、利益を削るような価格競争はできるだけ避けましょう。競合との差別化で価格を下げるのはもっともシンプルな方法ですが、やがては自分の首を絞めることになります。サービスの付加価値や技術力などの競争力を高め、自社の強みを背景に交渉する営業力をつけるのが、収益アップの王道と言えます。

<ここまでのポイント>
・業務の効率化によって収益構造を整い、収益体質の基盤づくりができる。
・自社の強みを競合との差別化や取引先との交渉ができるようになる。

業務の効率化にはデジタル化

 前項で解説した2つのポイントのうち、サービスの付加価値や技術力の強化には時間がかかります。より着手しやすく即効性が高い、業務の効率化について考えてみましょう。

 結論から言うと、業務効率化の特効薬はデジタル化です。業務プロセスをデジタルでつなげると情報が一元化し、業務の状況が可視化されます。最初に入力する案件情報は、見積作成、実行予算作成、工事台帳、工事原価管理、請求の各プロセスに連携していきます。つまり、案件情報などの共通する情報を何度も入力しなくてもよくなるのです。システムのデータ連携なら、Excelのようにコピペ作業も必要ありません。地味に時間をとられていた事務処理の作業量だけでなく、転記や入力ミスも減らせます。

 デジタル化やシステム導入というと、導入コストを懸念される方も多いと思いますが、IT導入補助金をはじめ、公的支援を活用すれば負担を抑えられます。ちなみに、IT導入補助金2023の採択率(1次締切)は、通常枠72.6%、デジタル化基盤導入枠(インボイス対応枠)63.2%、セキュリティ対策推進枠68.3%ですから、申請事業者の6割~7割が受給しています。

関連記事:IT導入補助金2023 3月28日から申請受付開始、補助額など概要を解説

 デジタル化による業務効率化は、残業削減などの労務費の縮小だけでなく、業務全体のスピード感をアップさせます。取引先への対応も早く、正確になりますので、営業面でもプラスになるでしょう。さらに業務負荷が軽減した工数で、従来のサービスに付加価値を付ける取り組みができるかもしれません。

<ここまでのポイント>
・業務効率化の特効薬はデジタル化。
・IT導入補助金などの活用で、少ない負担でデジタル化できる。

【サービス事例】
顧客の生産性も高まるワンストップサービス

 デジタル化で、消防設備点検、ビルメンテナンスの業務効率化と新たな価値を追加するサービスを紹介します。ご存じの通り、ビルメンテナンスや消防設備点検の業務は、定期点検のスケジュール作成と報告書の作成・管理などの作業が非常に煩雑で、多くの会社で管理者の負担が大きくなっています。

 「設備業あんしんクラウド」は、ビルメンテナンス、消防設備点検の事業者と建物オーナー、管理会社をつなげるクラウドサービスです。クラウド上で同じ情報を共有することで生まれるメリットを紹介します。

・点検、メンテンナンスのスケジュールをクラウド上で共有
 クラウド上の点検日の予約ができ、日程調整がスムーズになります。ファックスやメールのやりとりで起こりがちな連絡もれや見落としがなくなります。点検作業のステータスを可視化でき、報告漏れなどをチェックできます。

・物件ごとの情報や履歴を一元管理
 物件ごとに、建物情報、契約内容、作業報告書、機器導入やメンテナンスの履歴などを管理します。建物オーナー、管理会社は自社物件の情報を閲覧できます。受信機の誤作動解除などのサポート情報も提供できます。

・建物オーナー、管理会社との結びつきを強化
 疎遠になりがちな建物オーナー、管理会社との情報共有でコミュニケーションがとりやすくなります。

PlannerEXオプション『設備あんしんクラウド』

<ここまでのポイント>
・物件情報を一元管理することで建物管理全般の業務を効率化。
・顧客、協力会社との情報共有で、効率化以上のメリットが生じる。

デジタル化による空き工数をどう活かすかが“鍵”

 デジタル化で業務が効率化できれば、従業員の労働時間を削減できます。削減できた労働時間、つまり空き工数をどう活かすかが収益アップの鍵になります。
設備業、建設業の工事部門は慢性的な人手不足ですから、ほとんどの会社では時間外労働の削減が最優先課題になっているでしょう。ですから、残業が減らせたとしても新しいことを始めるのは難しそうです。しかし、事務職は工事部門と比べるともともと残業が多くないため、定時時間内に空き工数ができる可能性があります。

 もちろん残業が減るだけでもコスト削減になりますが、さらなる収益アップは、デジタル化の恩恵で生まれた事務職の空き時間をどう活用するかにかかっています。たとえば、事務職が工事管理の事務処理や営業の資料作成など、各部門の補佐的な業務を担うことで、会社全体に余裕ができます。工事部門や営業部門に余裕ができれば、新規顧客の開拓や既存サービスの品質向上に取り組める、新規事業の立ち上げもできるかもしれません。

 デジタルの業務の可視化や情報共有によって仕事の属人化を減らし、業務分担や代理対応がやりやすくなります。会社の労働生産性の基盤は全従業員の労働時間の総和です。限られた生産力を効率よく配分できると、収益アップにつながっていきます。

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