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2017年に始まったサービス等生産性向上IT導入支援事業(通称:IT導入補助金)は6年目を迎え、この8月には事務局の委託事業者が変わりました。事務局の変更により、申請事業者にはどのような影響があるのでしょうか。そのほか気になる採択率、募集枠など、IT導入補助金2023について解説します。

目次
-IT導入補助金2023の後期事務局に移行
(1)IT導入補助金2023 8月以降のスケジュール
(2)気になる採択率は?
(3)後期事務局でどう変わる?
(4)【新設】商流一括インボイス対応類型とは
-インボイス対応のポイント
(1)実は受取りインボイスの処理が大変
(2)おすすめは電子帳簿保存法も同時対応できる電子インボイス
(3)インボイス対応を機にデジタル化するメリット
-IT導入補助金を活用して収益アップを!

IT導入補助金2023の後期事務局に移行

(1)IT導入補助金2023 8月以降のスケジュール

 IT導入補助金2023の事務局変更に伴い、ホームページも移行しています。8月以降の事業スケジュールが公開されています。

IT導入補助金2023ホームページ 後期事務局

出典:IT導入補助金2023 事業スケジュール
関連記事:IT導入補助金2023 3月28日から申請受付開始、補助額など概要を解説

(2)気になる採択率は?

 8月1日に公開された申請件数及び交付決定件数のデータから採択率を算出しました。1次から3次の合計では、通常枠(A類型)72.6%、通常枠(B類型)63.2%、デジタル化基盤導入枠72.4%と、前年度と比較すると若干低調ですが、デジタル化基盤導入枠は回を追うごとに採択率があがっています。

 また、デジタル化基盤導入枠は4次で申請件数が下がっています。10月施行のインボイス制度への対応を補助対象とするため、時期的にみても申請のピークを過ぎたという推測ができます。しかし、採択率は上がっていますので、この状態が維持されれば、インボイス未対応の事業者にとっては採択されやすくなるという期待ができそうです。

出典:交付決定事業者一覧(IT導入補助金2023 前期事務局)

(3)後期事務局でどう変わる?

 事務局の変更は申請事業者にはどのように影響するのでしょうか。7月31日までに申請した事業者は引き続き前期事務局、これから申請する場合は後期事務局が窓口となるため、手続きの混乱は少ないと見られます。

 採択率に影響するのではと心配されるかもしれませんが、事務局の変更は委託先が変わっただけで、採択の基準や予算配分は事業を管轄する中小企業庁によって定められるものです。ですから、理屈の上では、8月以降の採択率に大きな変動があったとしても、事務局の変更とは関係なく、補助金事業の方針によるものと考えるべきです。しかし、申請書類の受理から交付決定までのプロセスで、委託事業者がどこまで裁量を持つのかなどがわからない以上、影響が皆無とも言い切れません。

 実際にどのような影響があるかは、8月28日締め切り分への事務局の対応と交付決定の結果から判断するしかありませんが、インボイス枠の駆け込み需要の可能性などを考えると、採択率の予測はかなり難しそうです。

(4)【新設】商流一括インボイス対応類型とは

 新たに追加された商流一括インボイス対応類型について、簡単に説明します。他の類型との大きな違いは大企業でも交付対象となる点です。 発注者が、受注者である中小企業・小規模事業者等に対して、インボイス制度に対応したITツールを無償利用させる取り組みが補助対象になります。これに該当する場合は大企業であっても申請が可能です。

<ここまでのポイント>
・8月以降の申請は後期事務局、7月までに交付申請分は前期事務局。
・事務局変更は委託事業者の交代であり、採択率には直接の影響はないはず。
・8月28日締め切り分の結果で事務局の対応が見えてくると考えられる。

インボイス対応のポイント

 すでに対応済みの方も多いと思いますが、インボイス対応のポイントをおさらいしておきます。

(1)実は受取りインボイスの処理が大変

 インボイス制度対応というと、インボイス発行の準備ばかり考えてしまいますが、実際には、より手間がかかるのは、インボイス発行よりも受取りインボイスの処理の方です。経過措置期間は免税事業者への支払い消費税も一部割合で仕入税額控除できるため、仕訳や集計がかなり煩雑になります。

<事前準備>
・受取りインボイスの保管方法、ルールを決める
・取引先の適格請求書発行事業者登録状況の確認

<経理処理>
・受取り請求書を課税事業者、免税事業者別に仕分け
・支払い消費税(免税事業者の経過措置を含む)を集計

(2)おすすめは電子帳簿保存法も同時対応できる電子インボイス

 インボイス対応と同時に、2024年1月に完全義務化の電子帳簿保存法に対応してしまうと、システム導入や業務プロセスを変更する作業を一度で済ませることができます。消費税の集計などが煩雑なインボイスは、手書きやExcelで作成するのはかなり大変な作業です。電子インボイス発行に対応したシステムを導入し、デジタル化へのお勧めします。

(3)インボイス対応を機にデジタル化するメリット

 インボイス制度と電子帳簿保存法の推進のために、補助金などの支援が用意されています。もっとも大きいものはIT導入補助金ですが、独自の補助金や助成を行っている自治体もあります。デジタル化による生産性向上は経営基盤の強化につながり、ほぼすべての企業でメリットがあります。インボイス対応は、公的な補助を活用して業務をデジタル化するチャンスと言えます。

関連記事:インボイス制度、本当の課題とは?②インボイス制度をわかりやすく、対応すべきポイントを再確認

<ここまでのポイント>
・手書きやExcelでインボイス対応するのはかなり大変。
・インボイス制度と電子帳簿保存法と同時対応がおすすめ。
・IT導入補助金などの公的補助を活用して業務をデジタル化するチャンス。

IT導入補助金を活用して収益アップを!

 資材価格の高騰や人手不足など、設備業をとりまく環境は厳しさを増すばかりです。受注を伸ばす努力も大切ですが、それ以上に効率がよいのは利益を増やすことです。

 コスト削減というと目に見える支出を減らす方向に目が向きがちですが、業務のムリ・ムダ・ムラを無くすことで残業代を削減できるだけでなく、業務範囲や業務量を広げられる場合もあります。従業員数は同じでも、より多くの、より価値の高い仕事ができるようになれば収益はアップします。

 令和2年の中小企業実態基本調査(総務省)では、建設業の平均粗利率は24.4%という統計が出ていますので、受注高を1万円上乗せするより、2500円の間接費を抑える方が会社に残る利益は大きいことになります。事務のパートさんが2時間ちょっと残業するくらいと考えるといかがでしょうか。

 業務効率化や生産性向上のもっとも有効な手段は、業務のデジタル化です。デジタル化によって、少人数体制、経験が浅い人材でも効率よく業務を回せるようになり、忙しくても収益が少ない“隠れ赤字体質”の解消につながります。

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