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デジタル化で解決できる?設備業のリスクと収益の伸び悩み

 インボイス、電子帳簿保存法、時間外労働の上限規制、業務への影響が大きい法改正が相次ぎ、設備業は大きな転換期を迎えていると言えます。法改正がもたらす経営環境の変化で、これまでは危機感を持たなかったリスクが急速に顕在化しています。
設備業にとって喫緊の課題となるリスク管理に、デジタル化は貢献できるのでしょうか。設備業が直面する課題とその対策について、デジタル活用にフォーカスして解説します。

目次
-どう対処する?設備業のリスク
(1)設備業で想定されるリスク
(2)データの一元管理でリスクを見える化
(3)目に見えるリスクは対処しやすい
-2年後、3年後はどうなる?受注と収益の減少
(1)物価高による利幅の減少
(2)懸念される工事件数の減少
(3)働き方改革、人手不足による受注件数の減少
-会社を存続させるために必要なことは?
(1)会社を存続させるための戦略
(2)デジタル化で実現する中小企業の生存戦略
-設備業のリスクと収益の伸び悩みは表裏一体

どう対処する?設備業のリスク

 建設業界では長引く物価高や2024年問題によって、いくつものリスクが具体的に表面化し、多くの経営者が不安視していた状況が現実で起こり始めています。設備業のリスクと対策について解説します。

(1)設備業で想定されるリスク

 はじめに、設備業で想定されるリスクを洗い出してみましょう。課題解決では「洗い出し」の作業がとても大切です。事業上のリスクの多くは、経営上のリスクを解消することで回避できます。

<事業上のリスク>

想定される影響
市場ニーズの変化 市場ニーズの変化についていけなくなると受注減少につながります。
技術革新の遅れ 新しい技術への対応が遅れると競争力を失い、受注減少につながります。
コスト上昇 原材料費のコスト上昇を、受注額に反映できないと収益が圧迫されます。
事故・労働災害の発生 管理者責任を問われ、事故被害者への補償が発生します。重大な過失があった場合は取引・営業停止の処分や受注減につながります。
事件・資材などの盗難 増加する資機材などの盗難も収益の圧迫につながります。

<経営上のリスク>

想定される影響
経営戦略 市場分析や経営判断の失敗により、市場ニーズの変化や技術革新についていけなくなります。
財務 業績好調でもキャッシュフローが悪いと運転資金の調達に苦労したり、その借入れが経営を圧迫したりします。
コンプライアンス 悪質な違反があると罰則が課され、取引停止や営業停止の処分もあります。
事故・自然災害 適切に対応していないと、被害による損失に加えて損害賠償も発生します。
セキュリティ 悪意ある攻撃による業務停止や情報漏洩が急増しています。
マネジメント 従業員のコンプライアンス違反やハラスメントの監督責任を問われます。

(2)データの一元管理でリスクを見える化

 事業上のリスクは業務の状況を把握することで回避できますが、設備業では工事ごとの状況を把握するのにかなりの手間がかかります。工事管理のデジタル化によって、積算見積から工事原価、工事の進捗状況、資材の在庫、従業員の稼働状況などのすべてのデータを一元管理できます。これにより、案件ごとのリスクから経営上のリスクまで可視化できます。

(3)目に見えるリスクは対処しやすい

 デジタル化によってリスクが可視化されると、問題発見と対処が容易になります。たとえば、工事の遅延や資材価格高騰などにリアルタイムで対処しやすくなり、作業効率が悪い業務を容易に発見できます。まずは、すべてのリスクを洗い出し、原因を把握することから始めましょう。

<ここまでのポイント>
・デジタル化によってリスクが可視化されると問題発見と対処が容易になる。
・すべてのリスクを洗い出し、原因を把握することから始めるべき。

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