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若手人材定着への魅力アップ戦略とベテランの技術を伝える社内教育

 DXは少人数でより高い収益をあげることを可能にしますが、事業継続には後継となる人材が必要です。事業承継を視野に入れた経営者は若手採用を後継者に任せる傾向がありますが、実はリスクの高い選択です。継承後の事業安定のために、経営者と近い世代のベテラン社員から技術継承できる環境を整えておく必要があります。事業継続に必要な会社の魅力向上と技術伝承の戦略を解説します。

目次
-若手人材を獲得するための効果的な採用戦略
(1)若手の採用成功は魅力ある職場づくりから
(2)企業の魅力を効果的に伝える方法
-若手人材が魅力を感じるポイント
(1)成長機会がある
(2)会社もしくは経営者にチャレンジ精神がある
(3)ワークライフバランスの実現
(4)企業文化に魅力を感じる
(5)待遇に満足できる(報酬、福利厚生)
-若手社員への技術継承の課題と重要性
(1)ベテラン社員の技術を若手に継承するための注意点
(2)若手社員の学習意欲を高める方法
(3)技術継承の効率アップのために
-技術継承が生み出す相乗効果

若手人材を獲得するための効果的な採用戦略

 採用とは企業が選考するものと考える方もいるでしょうが、最初に企業を選ぶのは求職者です。選ばれるためには、求職者に魅力を感じてもらわなければなりません。若手人材に選ばれるための戦略と効果的なアピールについて解説します。

(1)若手の採用成功は魅力ある職場づくりから

 人材採用で設備業と競合する物流業などが積極的な待遇改善に取り組んでおり、採用と定着化の難易度は高まるばかりです。そうした中で若手採用を成功させるには、自社の魅力を高めることが不可欠です。

 入社1~3年以内の離職・転職もめずらしくなくなり、若者世代には「働き続けるメリットがない会社は早く辞めた方がよい」と考える人が増えています。つまり、メリットを提供できなければ若者を定着させることは難しいと言えます。若手採用を成功させるためには、若者世代が魅力を感じる会社の魅力づくりや職場環境の整備から始める必要があります。

参考記事:働きやすい会社が採用に勝つ!人材確保の第一歩は生産性向上から

(2)企業の魅力を効果的に伝える方法

 会社や職場に魅力があったとしても、効果的にアピールできなければ、応募にはつながりません。自分たちのやり方ではなく、採用ターゲットが受け取りやすい形で情報を発信することが重要です。

①ホームページやSNSを活用する
若者世代のもっとも身近な情報源はインターネットです。彼らの感覚では、ホームページがない会社は身分証明がないようなもので、応募対象から除外されます。InstagramやTikTokなど、若者が日常的に利用するSNSによる情報発信が効果的です。

②入社後のイメージにつながるリアルな雰囲気を伝える
若手社員のインタビューなどのリアルな声を届けることで、入社後の自分をイメージしやすくなります。若手でないとダメということはなく、年配の部長たちが踊る紹介動画がバズって若者の応募が急増したという事例もあります。

③エントリーの前に交流する機会を設ける
業界フェアや学校の就職説明会などのイベントなどで接点をもっておくことで、応募のハードルを下げられます。積極的に若手と交流する機会を設けましょう。自社単独の見学会やインターンも効果的です。

<ここまでのポイント>
・企業が選ばれるためには、求職者が魅力を感じる要素が必要。
・若手の採用成功は会社の魅力づくりから。
・若者世代に届きやすい手法で会社の魅力を発信する。

若手人材が魅力を感じるポイント

 親世代が苦労する姿を見た若者世代は、会社に何かあっても困らないスキルを身につけたいと考えています。若者世代が会社の魅力として感じるポイントとを紹介します。

(1)成長機会がある

 入社後のスキルアップや成長機会を重視する若者は多いです。キャリアパスの明確化や教育制度を整えることで求職者の関心を高められ、採用した人材の定着化にも効果を期待できます。

 明確なキャリアパスによって将来のイメージが具体的になります。技術スキルだけでなく、ビジネススキルやリーダー養成を取り入れると、長期的なイメージをもてるようになり、定着化につながります。電気工事士や管工事施工管理技士などの業務に必要な資格取得を金銭的・時間的にサポートする制度は歓迎されます。

(2)会社もしくは経営者にチャレンジ精神がある

 若者世代は自らチャレンジするだけでなく、頼もしいリーダーに牽引してもらいたい願望があります。若手社員をチャレンジングな取り組みに参加させたり、技術力向上や業務改善のアイデアを競う場を設けたりすると活性化につながります。

(3)ワークライフバランスの実現

 仕事と私生活のバランスがとれる働きやすい環境を求めています。勤務時間を調整できるフレックスタイム制や、計画的に休暇を確保する配慮が求められます。また、男女の家庭内分業の意識も薄れつつあり、将来のライフイベントに対応できる育児や介護の支援制度が整っていると、長く安心して働ける会社と評価されます。

(4)企業文化に魅力を感じる

 会社の社風や文化への共感も重要なポイントです。多くの若者が、経営層とオープンに対話できる社風や、年齢や性別、国籍、経歴に関わらず、活躍できる環境に魅力を感じるようです。本業以外の社会貢献活動、たとえば地域のボランティア活動や環境保護活動などへの取り組みも好印象を抱かれます。

(5)待遇に満足できる(報酬、福利厚生)

 世代は関係なく、報酬と福利厚生は人材確保の要です。給与面では、少なくとも同じ地域の同業他社と同等の水準でなければ、選ばれる可能性は低くなります。個人の努力と成果を適切に評価し、報酬に反映させる制度も必要です。基本給の引き上げが難しい場合は、賞与や業績連動給、福利厚生で補う方法もあります。

<ここまでのポイント>
・仕事を通して成長し、人材としての価値を高められる環境を求めている。
・適正な待遇で長く、安心して働きたいと考えている。

若手社員への技術継承の課題と重要性

 最新技術やデジタル化で生産性を向上できても、技術や知見を伝承しなければ、いずれ失われます。ベテラン社員が保有する技術は会社の財産であり、継承していかなければなりません。

(1)ベテラン社員の技術を若手に継承するための注意点

 ベテランから中堅・若手社員に技術を継承する際、課題となるのがコミュニケーションの難しさです。世代間の価値観の違いやライフスタイルの格差が原因となります。これを解消するためにはマニュアルなどの形で、暗黙の了解となっている部分を言語化すると、ギャップを解消できます。また、ベテランと若手がペアで日常的な業務を行うようにして、現場での実践を通じて自然に技術が伝わり、段階的に技術を習得できる環境を作ると効果的です。

(2)若手社員の学習意欲を高める方法

 ベテラン社員からは若者世代が受け身にみえる一方、若者からは、ベテラン社員と技術や経験の差が大きすぎて目標にしづらいという問題があります。
技術習得のプロセスを可視化し、小さな目標を設定するのがお奨めです。ベテランは成長を把握しやすくなり、若手が達成感を得られる機会が増え、モチベーションを高められます。習得した技術を実践できる機会を設けたり、表彰などの形で評価したりすることも効果的です。

(3)効率的な技術継承のために

 昔気質の「見て盗め」的な指導が機能しないことは常識ですが、ベテラン社員の中には指導が苦手な人も少なくないでしょう。デジタル世代の若者に適した技術習得を効率アップさせる方法を紹介します。

①動画マニュアル
若者はデジタルコンテンツに慣れており、実践より先に手順を学習することで安心できます。スマートフォンやタブレットで現場作業を撮影し、編集すれば、最小限の手間で技術マニュアルを作成できます。若手の学習教材だけでなく、施工手順の標準化や品質管理にも役立ちます。クラウドで共有するといつ、どこからでも視聴できます。

②技術データベース:
トラブル事例や解決策をデータベース化して参照できるようにしておくと、イレギュラー対応の参考にできます。Excelなどの表計算ソフトでも管理できますが、ノーコード開発のサービスを利用するとより利便性の高いデータベースを作成できます。

<ここまでのポイント>
・マニュアルで暗黙の了解を言語化するとギャップを解消できる。
・技術習得のプロセスを可視化し、段階的な目標設定でモチベーションを高める。
・デジタル世代の若者に適した方法やツール活用で効率アップ。

 技術継承というと、現場レベルの課題と考えがちですが、継承すべき技術は事業価値の基盤であり、若手の成長機会でもあります。技術継承が若手の定着率向上や企業の競争力強化に大きく影響します。

 若手人材の獲得と定着、そして技術継承は、会社の未来のための課題です。魅力的な職場環境づくりと、ベテランから中堅・若手へと技術を継承する取り組みを始めましょう。こうした取り組みをアピールすることで若い人材を集めやすくなり、社内に世代を超えたコミュニティが形成され、活気ある会社へと成長できるはずです。

人材確保に成功する会社の特徴とは?採用広告、面接、定着化の基礎知識

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