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待ったなし!設備業のデジタル化5

DX(デジタルトランスフォーメーション)関連の最終回です。

今回は、大手企業が取り組むDXの事例をみてみましょう。
建設業だけでなく他業種の取り組みからも何かヒントがつかめるかもしれません。

大手企業が取り組むDX

積水ハウス株式会社

設計図面のデータを串刺しに、設計の各工程で連動させることにより、個別の物件情報の一元管理や納期の短縮、大幅な業務コスト削減等を実現しているそうです。さらに自社内だけではなく、CADデータを活用して関係企業との協力体制の連携にも取り組んでいるそうです。単にシステムを導入するだけでは効率化を図る事ができない場合があります。各業務の流れに沿ってデータをつなぐ事により、初めて大きな効果を生むという成功例だと思います。

株式会社小松製作所

建設機械業界おいて建機のICT化の先駆けとなったと言って良いと思います。建設機械にGPSユニットを装着し、機械の位置情報・稼働情報などをインターネットを通じて把握するシステムを開発しました。また2008年には世界初の「無人ダンプトラック運行システム(AHS)」を実用化しました。そして機械操作の自動化などを可能とする「ICT建機」も発表しています。新しい技術や道具がドンドン世に出ていますが、ドローンなども最近は手軽に使えるようになってきており、人間が行ってきた確認作業などをドローンを活用して効率化をはかる取組みをしている事例もあります。

株式会社レオパレス21

パソコンやスマホなどのセキュリティの顔認証は、今や一般的になっているます。この技術を賃貸住宅に取り入れた取り組みをおこなっています。あらかじめ登録された居住者がエントランスなどに設置されたタブレットの前に立つと、本人認証を自動的に行い開錠するといったものです。これですとカードキーを持ち歩く必要もなく、手軽にセキュリティを掛けられます。この技術は会社の出勤時などでも利用されておりますし、現場などでも活用できそうです。

中国電力株式会社

IT活用による生産性の向上は、どこの業界でも今や大命題となっていますが、こちらではタブレット端末を使って作業現場の状況を把握する事で生産性を向上させているそうです。遠隔支援という考え方は建設業でも拡がりを見せていますが、今まで実際に移動して確認や指示などしていたものを居ながらにして対応することを可能にします。また、画像や音声のデジタル化だけではなく、作業状況や勤怠状況などもスマホなどの端末を使って把握する事なども大分ポピュラーになっています。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

超高齢化や働き手不足を解消するために「働き方改革」に着手することは喫緊の課題といえます。そのためにシンクライアントを使い、殆どの処理作業をサーバー側で行う仕組みを作られたそうです。これによりテレワークの実施環境を整える事もできますし、拠点間コミュニケーションも安全に行う事ができるという訳です。※シンクライアント…ユーザーが使うクライアント端末にはデータやソフトを置かずに、サーバー側で一括して管理するシステムの総称です。

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ

こちらでは早くからクラウドの活用を始めているそうです。クラウドはインターネット環境を利用して、様々なサービスを提供する考え方ですが、例えば自社でサーバーを買わなくてもクラウド上にサーバーを借りる事ができたり、クラウド上のソフトを使用する事もできます。もちろんインターネット環境があれば、自宅でも現場事務所でもどこでも活用する事が出来ます。最近ではクラウドを利用したバックアップサービスやそこに置かれているファイルを出先から閲覧できるようなサービスもあります。

株式会社丸井グループ

働き方改革を実現するためのテレワークやペーパーレス化などを実施してきたそうです。また業務自体の効率化のためにRPAを導入して自動化を進めてきたそうです。RPAはロボティック・プロセス・オートメーションのことですが、人間の代わりに業務をこなしてくれる自動化ツールのことです。決まった手順の定型業務など、PC上で行う事務作業の分野などで導入がすすんでいるようです。人手不足の解消には効果的と言えます。

DXは「まずかいより始めよ」で!

例えば清水建設株式会社は、自社で「Shimz AR Eye 埋設ビュー(地下埋設物可視化システム)」などを開発しています。これは将にDXと呼ぶにふさわしい取り組みとわかります。しかし、我々中小企業は一足飛びにそのような取り組みはなかなかできません。また、今回紹介した大企業においても、初めは初歩的なところから着手し、それを土台にして更に高度なデジタル化へと移行しているケースも多く見受けられます。Zoomとスマホを使っても遠隔支援はスタートできます。やってみるとどんな効果が得られるかが実感されます。そこから色々と情報交換したりネットで調べたりする中で、更に次のステップが見えてくると思います。やってみない事には何も始まりません。まずはどこかで耳にしたことでも良いので、第一歩を踏み出してみる事です。

文責:曽根


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